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特定秘密保護法案

 安倍内閣は10月25日、国の機密情報を漏えいした公務員や民間業者に厳罰を科す「特定秘密保護法案」を閣議決定した。マスコミの「報道の自由」ばかりがクローズアップされがちだが、ぼくはもっと恐ろしいことが起こりうると感じている。

 以前、「年齢認証」というタイトルでたばこ販売についてブログに書いた。その際、モリさんという大学生からご意見をいただいた。そのモリさんが言う「未成年者飲酒・喫煙禁止法」を咄嗟に思い出したのだ。

 ビールやたばこを販売する店員や経営者が罰せられるこの法律は、いわば「水道の蛇口」を締める法律だ。コンビニのバイト店員や経営者は、未成年者に販売すると罪になることから、一律に年齢認証のタッチパネルなどで対応している。だから、10代か20代か判別つかない客でも、明らかに白髪で腰が曲がった老人でも、タッチパネルで年齢確認させるのである。同じことがこの秘密保護法案にも読みとれる。

 報道の自由を配慮すると明記しておきながら、取材対象者となる人たちを処罰の対象とする。当然、対象となる“秘密を握る”公務員や民間人は、過度に警戒するだろう。つまり、“情報の水源”は公務員や民間人であって、その蛇口を締め付ければ、どんなに取材しようとも情報は出てくることはない。そればかりではない。当事者でないとしてもその周辺にいる人たちも“触らぬ神に祟りなし”とばかりにマスコミ排除になっていくことは想像に難くない。さらに、重要な秘密情報でない場合でさえも重要な秘密と解釈すれば、何も情報は出てこなくなる。

 単に、取材しづらくなるから嫌だ、なんて言っているわけではない。情報公開制度がありながら、個人情報保護法をはじめ、さまざまな規制によってべったりと黒塗りの、中身が何も分からない資料が出てくる世の中だ。大事な情報なんて、何一つ出てこない社会になってしまう可能性がある。

 逆の見方をすれば、体のいい公務員保護法だとも言えるだろう。マスコミや市民団体、研究者といった“ウオッチャー”からの取材などを避けるために使えるからだ。要は、幅広い解釈と運用によって、煩わしい輩を都合よく門前払いできるというわけだ。

 重要秘密と情報公開。本来は両輪があってこそのはずの法律が、片方の車輪だけがバカでかくなるのだ。この意味を一人ひとりが考えるべきだと強く感じている。

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プロフィール

Atsutoshi Yamada

Author:Atsutoshi Yamada
山田厚俊(やまだ・あつとし)
1961(昭和36)年栃木県生まれ。
週刊誌やビジネス誌、サブカル誌などで活動中。詳しくは右のリンクへ(プロフィール詳細)。

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