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『そして、星の輝く夜がくる』

 まもなく東日本大震災から丸3年を迎える。各マスコミはお決まりのように、震災特集に取り組んでいる。そんななか、真山仁氏の最新刊『そして、星の輝く夜がくる』(講談社)を読んだ。この本も3・11以降の被災地の小学校を舞台にした物語。震災後、教員が足りないとの要請を受け、1995年の阪神・淡路大震災を経験した小学校教諭、小野寺徹平が神戸から1年間限定で赴任するところから始まるドラマだ。



 しかし、緻密な取材と独自の視点で作品を紡ぐ真山氏は、一連の被災地報道や震災物語とは一線を画する。神戸と東北ーー。誰もが気づいているけど、なかなか点と点を線で結べなかったことを、ドラマに仕立てた。

 ぼくも95年の震災は、震災後3カ月余の4月から翌年1月までの約9ヵ月間、取材に回った。以来、いまでも細々だが、神戸の人たちとは繋がっている。3・11以降、事あるごとに“神戸の友人たち”に連絡を取り合ってもしている。そんな立場のぼくからしても、「ようやってくれた」と感涙もののドラマだ。

コラプティオ (文春文庫)

 昨年11月、このブログでも書いたように、真山氏はぼくのいま一番のお気に入りの作家だ。真山氏の“武器”は「経済」と「エネルギー」だ。代表作『ハゲタカ』シリーズは映画やドラマにもなり、ご存知の方も多いだろう。バブル崩壊以降の日本を経済の視点から鋭く切り込んだ問題作である。

 一方、『マグマ』『ペイジン』『コラプティオ』は、地熱や原子力などのエネルギー問題を扱った作品。恐らく、3・11以前で最も東電を取材してきた作家ではなかろうか。その集大成といえるのが『コラプティオ』で、東日本大震災まえに“予言”した近未来ドラマを作り上げ、話題となった。

ヤマダイ 手緒里うどん 150円x10個入り 1500円【被災地特産品】

 今回、被災地が舞台なのだが、真山氏の新境地と呼べるのが、「子どもの目線」だ。子どもを通じて物語を進めるのは、作家の常套手段だが、使い方によってはいやらしくなるのが常。いかに、読む側を納得させる表現力が必要なのかは改めて言うまでもない。それが自然にできるのは、凄まじい取材があってこその賜物なのだろう。

「がんばるな」「我慢するな」ーー。泣きたいときに泣き、笑いたいときには笑え。不器用にぶつかりながらでも、問題はみんなで解決しようじゃないか。そんなメッセージが込められた優しさの詰まった本だ。多くの皆さんに読んでほしいと、切に願っている。

大規模に被災した企業でモノを作るプロジェクト<被災地宮城県石巻市発> ...

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プロフィール

Atsutoshi Yamada

Author:Atsutoshi Yamada
山田厚俊(やまだ・あつとし)
1961(昭和36)年栃木県生まれ。
週刊誌やビジネス誌、サブカル誌などで活動中。詳しくは右のリンクへ(プロフィール詳細)。

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