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松野頼久が見せた男気

 会期延長をめぐり、最終日の6月22日まで国会はぐだぐだの状態が続いていた。改めて言うまでもなく、菅首相が70日じゃなきゃダメだとかごねたためである。皆、深夜国会を覚悟していたが、午後4時、本会議は開かれ、会期延長は無事可決された。

 この場を収拾させたのは、岡田克也幹事長ではなく、安住淳国対委員長でもない。松野頼久議運筆頭理事だった。松野氏は、鳩山由紀夫前首相の側近として知られるご仁だ。その松野氏が午後2時半ごろ、与野党の議運関係者の前で「私の辞任をもって本会議を立ててもらいたい」と申し出たのだ。

 議運は「議会運営委員会」の略で、議会がスムーズに運営されるように仕切るのが仕事で、トップは委員長、その下のポストが筆頭、さらに理事が名を連ねる。縁の下の力仕事と呼ばれる国対や議運は、国会のルールはもとより、過去の法案の経緯や他党との関係、思惑も頭に叩き込んでおかないと駆け引きもできずにうまくいかない。自分の党の利益だけで動いてもダメで、相手の面子を立てつつ、周囲が納得する落としどころを模索するのが常で、ゴリ押しが通用する世界ではないのだ。

 本来、民主、自民、公明の3党で合意した案は延長幅は50日、第3次補正予算は新首相の下で、という内容だった。その合意をひっくり返されたわけだから、自民、公明は収まるはずがない。強行採決なら自公は欠席。その後の国会運営は空転必至と見られていたなかで、松野氏の辞意が「決め手」となったのだ。かくして混乱必至だった国会は順調にすすみ、採決の結果70日の延長が決まったわけだ。とはいえ、松野氏が見せた男気は予定されていた行動ではない。

「このままではここまで築いてきた与野党の信頼関係が崩れてしまう。この場を収めるには私がハラを決めるしかないと思い決断した」(松野氏)

だから辞表はその場では間に合わず、遅れて提出された。与野党問わず、惜しむ声が噴出、慰留されているが、松野氏本人はさばさばした表情で語る。

「男が一度口にしたことを戻すことはない。まあ、いいじゃないですか」

 相手を立て、筋を通すーー。時に、党の方針に逆らい一人で筋を通した祖父・鶴平、父・頼三の姿とだぶる。「松野の血かな」と、ぼそっと松野氏は呟く。群れずに一匹狼と呼ばれた父は、マスコミからも〝政界のご意見番”と呼ばれ、親しまれていた。そんな父や祖父を慕い、美学を貫こうとする姿勢に野党からも賞賛の声が尽きない。

「民主にも筋を通す人がいると分かり、安心した。しかし、松野氏がいなくなったら、ますます国会運営はヤバいんじゃないか」(自民党関係者)

「野党として、松野氏の役職辞任は反対する」(公明党国対関係者)

 本来なら、岡田幹事長や安住国対委員長などが国会混乱の責任を負って、辞表を出すべきところ。しかし、岡田幹事長に至っては周知の通り、“子どものお使い”で終わり、周囲をあきれさせた。安住国対委員長は野党から「軽すぎる」と事あるごとに諌められるが平気の平左で、責任の取り方も知らないらしい。松野氏の爪の垢でも……なんて思ったが、さっさと辞めるべきは菅首相、その人なんだよね。

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プロフィール

Atsutoshi Yamada

Author:Atsutoshi Yamada
山田厚俊(やまだ・あつとし)
1961(昭和36)年栃木県生まれ。
週刊誌やビジネス誌、サブカル誌などで活動中。詳しくは右のリンクへ(プロフィール詳細)。

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